調剤薬局がこんなに増えた理由

薬にまつわる素朴なギモン

なぜ調剤薬局がこんなに増えたの?

一昔前まで、薬は診察を受けた後、そのまま病院内の窓口で処方されることが多かったものです。しかしいつからか、近くに調剤薬局がぞくぞくと立ち並ぶようになり、処方箋をもらったらそこに行って薬を受け取るようになりました。 こうしたスタイルを「医薬分業」と呼び、海外では古くから徹底されています。


医薬分業によるメリット

医薬分業とは、医師が診察や薬の処方をおこない、薬剤師が実際の調剤をおこなうというふうに、両者を完全に分けたスタイルを指します。これはもともと西洋において、国王などの権力者が医師に毒殺されることを防ぐために確立されたものといわれています。
現代では、医師と薬剤師による2重のチェックが入ることで、誤った薬の処方を防げることと、患者さんの服薬が管理しやすいことなどが主なメリットとして考えられています。従来の院内処方では、複数の医療機関にかかった際、それぞれ処方される薬を薬剤師が把握するのは困難でしたが、院外処方になり、おくすり手帳などが普及したことで、これが改善されたのです。
ちなみに利用する薬局は、全国どこでも患者さんが自由に選べます。病院の近くには、ほぼかならず「門前薬局」と呼ばれる調剤薬局がありますが、医師やスタッフはそこで薬をもらうように患者さんに指示することはできません。「1番近いのは、そこです」という言い方をします。
これは、医療機関が特定の薬局に患者さんを誘導することが禁止されているためです。極端にいえば、北海道でもらった処方箋を沖縄県で使うこともできます。ただし、門前薬局ではその病院の科に合わせた薬を中心に扱っているため、結局よそへ行くより利用しやすいことは事実です。
逆にいえば、たとえば近くの病院の医師がジェネリックに否定的な場合、門前薬局でもジェネリックを扱っていないこともあるというわけです。


薬で儲けが出なくなったのも原因?

院外処方が増えた背景には、薬剤師を雇う費用や、調剤に関する手間の問題などもあります。
その昔、日本の医療は「薬漬け」と呼ばれ、とにかく医師は多く薬を処方することで不当に儲けていた時代がありました。薬を出せば出すほど儲かるのですから、本来は不要な薬も出してしまいます。しかし薬価が見直され、このシステムがなくなったことから、現在では医師が薬の処方で儲けることはできなくなっています。
そのため、院内に薬剤師を置く必要もなくなったのです。私たちが思う以上に、薬剤師を雇うのにはお金がかかります。さらに医薬品メーカーとの交渉やら、保管するスペースの確保やら事務作業やらと、薬を扱うことで病院の仕事は大いに増えてしまいます。
もはや薬で実入りがないのに、薬で煩わされる必要はなし、という事情も、今日の医薬分業につながっているのです。