儲かる薬の種類

薬にまつわる素朴なギモン

注射器

どんな薬が儲かるの?

薬は私たちの病気やケガを治癒してくれる大切なものですが、販売する側にとっては「商売」という側面も当然あります。製薬会社にとって、需要の高い、売れる薬が優先的に開発されるのはある意味仕方のないことです。

一般的に儲かる薬の条件として知られているのが、「先進国での需要が高い」ということ。そして「長期的に使用できる」という点も大きなポイントのようです。


なぜマラリアの薬は開発されないのか?

儲かる薬とは、つまり多くの人に買われる薬ということになります。それでは人口の多い国や、患者数の多い病気で必要とされている薬を開発すればいいのかというと、決してそうでもありません。

実際、毎年3億を超える人がかかるといわれるマラリアの治療薬はあまり研究が進んでいませんし、数百万人単位で新たに感染する結核の治療薬も、40年以上前に作られたものに今でも頼っている状態であり、完治するのに半年ほどかかるとされています。

そこには、世界の医薬品市場のうち、大半を占めているのが先進国である、という背景があります。特にアメリカとヨーロッパ、そして日本だけで全体の9割近くを占めるともいわれ、一部の特定エリアにおいて医薬品は購入されているのです。

たとえばアフリカの国々の、医薬品市場における割合はたった1パーセントとなっています。つまりアフリカで流行っているマラリアの治療薬は、実際には高い需要があるものの、儲けにつながらないためになかなか開発が進まない現状があります。

製薬会社も商売である以上、どうしても先進国で必要とされる薬の研究をせざるを得ません。その結果、生活習慣病などの新薬がどんどん登場しているのです。


病気を完全に治せない薬が売れる!?

さらに、儲かる薬の条件として「完治できない薬である」という点も重要です。

これも生活習慣病である糖尿病の薬が良い例といえます。糖尿病は、服薬だけで治すことのできない病気です。基本的に一生付き合いながら過ごすしかなく、その間継続的に薬を使わなければいけません。 つまり製薬会社にとっては、長期間、購入してもらうことができ、大きな利益につながります。

病気を完治する薬は素晴らしいものですが、メーカー側からすると一時的にしか使用されないため、あまり喜ばしくないのです。

とはいえ、もちろん人類にとって脅威であるがんや、HIVに対する特効薬はつねに研究がおこなわれていますし、真摯な研究者も山ほどいるでしょう。彼らのがんばりに期待したいところです。