薬の効きが悪い人のタイプ

薬にまつわる素朴なギモン

顕微鏡

どんな人は薬の効きが悪い?

同じ薬を使っても、効果のある人と少ない人とが存在します。その理由としては、おもに肝臓や腎臓の機能における個人差が考えられます。 また喫煙する人は薬の効きが悪かったり、逆に強まったりすることがありますので、注意が必要です。


臓器の機能による違い

人によって薬の効き目に違いがあるのは、「薬の代謝機能」と、「作用が発揮された薬の排出機能」が大きく関わっているとされています。

たとえば一般的な内服薬を服用すると、まずは有効成分が小腸に吸収されます。その後、肝臓で薬効をある程度弱めてから、血液を通して作用部位に運ばれます。血液中で薬の濃度が上がり、あるレベルに達すると効果が現れるのです。 その後はまた肝臓で代謝され、腎臓を通して尿とともに排出されることによって血中濃度は低くなり、時間とともに効果が薄らいでいきます。

つまり小腸と肝臓、そして腎臓によって薬の効き目は左右されます。基本的に薬は人体にとって「異物」ですので、肝臓が薬効を弱くしようと分解します(代謝)。この代謝機能に問題があると、効き目が強まる場合があります。 また腎臓に障害があると、薬の排出に時間がかかるためにやはり効き目が強まります。一方、小腸に障害があるとなかなか有効成分が吸収されずに、効き目が弱まることがあるのです。

その他、薬を分解するための「酵素」の遺伝子タイプにも違いがあることが分かってきました。つまり遺伝子レベルでの個人差も、薬の効き目に影響を及ぼすことになります。 特に抗がん剤治療などで、その薬が患者さんに合うかどうかを調べることは非常に重要です。遺伝子検査をおこなうことで、効果的な薬を調べる方法も始まっています。


タバコと薬の関係

喫煙習慣の有無も、薬の効果を左右します。タバコと薬の相乗効果によって効き目が強くなりすぎる場合と、逆に弱まりすぎる場合とがあります。

増強されるケースとしては、おもに経口避妊薬(ピル)が挙げられます。タバコを吸うと血流が悪くなることはよく知られていますが、ピルにも血栓症を起こしやすい副作用があるために、相互作用で心筋梗塞や脳梗塞につながる可能性があるのです。

逆に喫煙によって効果が弱まる薬は多くあり、喘息薬や解熱鎮痛剤、降圧薬や抗うつ薬、血液が凝固するのを防ぐ薬などがあります。タバコの覚醒作用や代謝の亢進作用などによって、薬の効きや吸収が妨げられることは少なくありません。 糖尿病のインスリン注射も、喫煙者は吸収が悪いことが分かっています。

喫煙してから2時間以上経過すれば、ほぼ影響はなくなるといわれますので、禁煙の難しい人はせめて2時間空けてから薬を使うようにしましょう。