抗生物質は体に悪い?

薬にまつわる素朴なギモン

抗生物質は体に良くない?

細菌による感染症によく処方されるのが、抗生物質と呼ばれる薬です。一般的には、細菌を殺し増殖を抑える「抗菌薬」、もしくはカビに対する「抗真菌薬」のことを指しますが、広義には抗がん剤なども含まれます。

何となく強力で体に悪いイメージがありますが、病状によっては必須といえる薬ですので、期間や用量を守って正しく使うことが大切です。


抗生物質のメリット

抗生物質といえば、まず細菌による感染症に用いられる抗菌薬が挙げられます。作用機序によってさまざまな種類に分かれますが、私たちが病院でよく処方される抗菌薬としては「ジフロマック」や「クラビット」、「クラリス」「フロモックス」などが代表的です。 飲み薬のほか、点滴や点眼薬、塗り薬などもあります。

たとえば溶連菌などの感染症や、細菌による肺炎、結膜炎、腎盂腎炎や中耳炎、性感染症などに広く処方され、抗生物質を使えば数日で症状が改善することも少なくありません。細菌が原因として特定されている場合は、抗生物質は大きな助けとなってくれるのです。

その他、細菌ではなく真菌(カビ)に効果のある「抗真菌薬」も抗生物質の1つであり、カンジダや水虫などの白癬菌に作用します。これらも放置して良くすることは難しいため、薬の使用が効果的です。

抗生物質はウイルスに効くものではありませんので、風邪やインフルエンザなどには効果がないとされていますが、実際は処方されることも多いでしょう。風邪で抵抗力が落ちたり、粘膜が弱まったりすると、細菌が侵入して気管支炎や肺炎、中耳炎などを併発することがあるからです。 高熱が長期間続く、咳がひどい、耳が痛いなどの症状があった場合は、念のために抗生物質を投与することがあります。特に乳幼児や、他の疾患をもっている人には、予防的に抗生物質を出すケースもみられます。


抗生物質のデメリット

抗生物質は心強い薬である一方、腸内にいる善玉菌も殺してしまう副作用があります。抗生物質に抵抗をもつ人が多いのは、これがおもな原因です。

腸内の善玉菌が少なくなると、消化機能が低下して下痢をしたり、摂取した栄養素がうまく吸収されなくなったりします。ただし医師の指示を守って、数日間使用するだけならほぼ問題はないとされています。

もう1つ重視されている抗生物質の害は、「耐性菌」の問題です。抗生物質を長く使い続けることで、菌が耐性を身につけてしまうことがあります。 耐性菌が出てくると抗生物質が効かなくなるため、治療が長引いてしまいます。

これを防ぐためには、抗生物質の使い方が重要です。不必要な抗生物質はなるべく使わないようにすると同時に、決められた期間内はしっかり使用することで、早めに菌を殺してしまうことが大切といえます。 使ったり使わなかったりとムラがあると、それだけ治癒が遅れ、耐性菌を生まれさせることにつながりますので、かならず指示にしたがってきちんと使用しましょう。