日本人は薬好きって本当?

薬にまつわる素朴なギモン

日本人は薬好きって本当?

日本人は世界の中でも薬好きの国民といわれることがあります。病院好きと言い換えても良いのかもしれません。老いも若きも、風邪をひけば病院にかかって薬をもらう。これは世界から見てもかなり珍しいことは確かです。 しかし薬は活用するものであって、振り回されるものではありません。薬との付き合い方について、改めて考えてみるのも良いでしょう。


医師=絶対的存在!?

誰もが複数の病院の診察券をカードケースに入れている日本。高齢者になると、数十種類もの薬を服用していることも少なくありません。もちろん必要があって飲んでいる薬もあるのですが、日本人にとって「医療=薬」という側面は確かにありそうです。

それは医師と患者との微妙な距離感のせいである、との指摘があります。日本では「3時間待ちの3分診療」と揶揄されることがあるように、医師の診察はほんの数分で終わってしまいがちです。さらに、患者側が医師に意見したり、何か質問したりすることがはばかられる雰囲気があります。 診察もそこそこに、薬だけ出されてはいおしまい、となっても、それに文句をいえる患者はごく少ないのが日本という国です。

これがアメリカになると、事情はだいぶ異なります。まず医療費が高いため、よほど症状が悪くない限り病院にかからないのですが、かかった時には元を取ってやろうと患者は意気込んでいます。なぜこの病気になったのか、何に気をつければいいのか、などなど、医師に積極的に質問するのが当たり前です。

さらに薬の値段も異なります。日本では国民皆保険制度が充実しているおかげで、少ない自己負担で薬を買えるため、ますます薬に依存しがちですが、アメリカでは処方薬は高価ですので、基本的には市販薬で何とかします。医師自身が「○○という薬を買って飲みなさい」とアドバイスすることもあるほどです。 そんな事情から、日本のようにいくつもの薬を飲む人は少ないようです。


病気にならない生き方

日本では、どうしても医療と薬が密接に結びついているわけですが、健康的な生活はやはり普段の生活が基本です。良い食事や適度な運動があってこそ、真の健康は成り立ちます。

最近では、日本でも予防医学の考え方が徐々に広まっており、自然治癒力を高める方向に向かっています。具合が悪くなってから薬を飲むのではなく、飲まなくてもいいように日ごろから健康に気をつけよう、というものです。

かといって、頑固な薬嫌いでも困ります。たとえば細菌による病気の場合は、抗生物質を飲まなければ治らないこともありますし、治療に必要な薬はきちんと使用するべきでしょう。その代わり、不要な薬には疑問を持ちたいものです。

薬を処方されたら、ろくに内容も確かめずに言われるがまま飲んでしまうのは、やはり薬代が安いせいでもあるでしょう。私たち1人ひとりがしっかり内容を確認し、必要な薬を見極め、不要なものには質問したりNOを言ったりできることも、これからは大切なのかもしれません。