そんなものまで?漢方薬の変わった材料たち | 医薬品にまつわるギモン

薬にまつわる素朴なギモン

そんなものまで?漢方薬の変わった材料たち

漢方薬と言えば生薬や薬草を使うイメージがあるかと思います。しかし材料の中にはあまりお目に関わりたくないようなものからそれも漢方なの?と首をかしげるものがそろっているのです。そんな漢方の材料についてご紹介します。


竜の骨が薬?竜骨

竜骨とは言いますが、もちろん竜の骨ではありません。多くは古代の哺乳類動物の化石、特にマンモスなどの骨です。肩の高さが大きいもので4mを超えるマンモスの骨はその大きさから空想の生き物である竜を想像したのかもしれません。骨よりも歯がさらに希少でもあります。主な産地は中国、インド、南アフリカだそうです。効果としては成分のほとんどがカルシウムなので精神安定作用があると言われている為ノイローゼやヒステリー、目眩などに効果が期待できます。

また収渋作用もあるので汗止めや下痢止めなどにも効くと言われています。ちなみに江戸時代に活躍した発明家、平賀源内はゾウの化石であることを知っていたようです。ちなみに漢字の元になった甲骨文字は竜骨を持病の薬として探していた人物が偶然発見したことで見つかったもので、北京原人の化石が見つかった周口店が竜骨の産地でした。ごくまれに恐竜の化石が竜骨として使われていることもあるそうです。


毒は薬にもなる?全蝎

全蝎とはサソリの事です。漢方に用いられるのはキョクトウサソリのことでマムシなどの毒を持つ動物由来の生薬の一つになります。このサソリは比較的毒が弱く、中国の北部中部、朝鮮半島にまで分布していて飼育もされているようです。捕えたら真水か食塩水に入れて死ぬのを待ってその後は水がなくなるまで4時間ほど煮ます。

このようなサソリはヨーロッパでも昔から使われており、膀胱結石や通風などに効果があると言われています。漢方薬としては痙攣抑制効果や血管運動中枢に作用するため血圧降下や鎮静作用があります。この他、鎮痛薬や鎮痙薬、体内の生理機能の失調による震えや痙攣、関節痛、顔面麻痺などにも効果が期待できます。ただし毒を持っているものなので使いすぎに注意する様にとのことです。


とっても希少部位!牛黄

牛黄は非常に貴重な漢方薬として有名です。それもそのはず、牛黄は牛の胆のうで出来た結石、胆石の事を言います。どのくらい希少かと言うと牛1000頭のうちから1頭とも言われ、価格も金より高くなるようです。大きさも直径1cmから4cm程度の大きさしかありません。

5世紀の漢方の事について書かれた書物「神農本草経」という書物にも上薬として載っており、薬の副作用にない長期にわたって飲んでも問題のないもの、として紹介されています。他にも牛黄のありがたさにあやかろうと牛黄を入れた墨で書かれたお守りもあったそうです。効果は現在わかっているもので高熱などの意識障害や炎症、痙攣に効果あると言われています。この他にも疲労回復や血圧や血糖値などが気になる場合にも効果があるようです。

いかがでしたか?漢方の中には今回紹介したもの以外にも変わったものからとんでもなく希少性の高いものがそろっています。昔から使われていたことを考えればやはり確かな効果があるものもあったのでしょう。私たちの健康の為にも有効活用していきたいですね。