ネットで薬を個人輸入しても大丈夫? | 薬局にまつわるギモン

薬にまつわる素朴なギモン

ネットで薬を個人輸入しても大丈夫?

本来なら簡単に手に入らない海外の薬も、今ではインターネットで探してボタン1つで購入することができます。しかし個人輸入には、偽造品や粗悪品をつかまされるリスクもありますので十分に気をつけなくてはいけません。


ネットで売られているED治療薬の、半数以上が偽造品!

個人輸入で特に人気があるのが、日本では購入できない薬や、保険が利かないため高額になってしまう自由診療の薬などです。たとえば国内未承認のダイエット薬や、ホルモン剤、また保険の適応されないED治療薬や薄毛治療薬などが人気を集めています。

中でもバイアグラなどのED治療薬には、偽造品が非常に多く出回っていることが問題となっています。ED治療薬は確かに国内の医療機関で処方してもらうと、1錠1,000円以上しますし、他にも診察料などがかかってきます。またEDという症状で受診すること自体をためらってしまう男性も多いでしょう。

そんな消費者の心理につけ込み、成分のほとんど含まれていないような偽造品を製造・販売する業者がたくさんいます。2008~2009年におこなわれた大規模な調査によると、ネットで無作為に選んで購入したED治療薬のうち、実に55.4パーセントが偽造品という結果になりました。つまり半分以上が偽物だったのです。

シンガポールなどの海外では、実際に個人輸入したED治療薬が原因で死亡事故も起こっています。これだけ見ても、薬の個人輸入がいかに危険であるかが分かると思います。


万が一副作用が起こっても、すべて自己責任に

もともと一個人の薬の個人輸入は、限られた場合にのみ認められています。たとえば海外で暮らしていた日本人が、現地で使っていた薬を帰国後も使いたい場合などです。

一方、業者がネット上などで不特定多数の人に向けて薬の宣伝をし、購入をうながすような行為は違法とされています。つまり「海外で使っていた薬をそのまま使いたい」と患者さんが自発的に思う場合と違い、広告で「こんな薬がありますがいかがですか?」とPRすることは基本的に許されていないのです。

また個人輸入で手に入れた薬で、万が一重篤な副作用が起こっても、国の「副作用被害救済制度」の対象にはなりません。すべて自己責任となってしまいます。 そう考えると、安易に個人輸入で薬を買うことはとても危険だと感じるはずです。

たとえばED治療薬なら、医療機関によっては診察料を0円にして薬代だけで済むようにしているところもありますし、2014年には国内初の正規バイアグラジェネリックも発売になりました。少しでもコストを抑えたい人は、こうした方法を選ぶべきでしょう。

万が一の事故を防ぐためにも、気軽に薬を個人輸入することは避けるようにしてください。