避妊用のピルで太るって本当?

薬にまつわる素朴なギモン

避妊用のピルで太るって本当?

「ピルを使ってみたいけれど、副作用で太ることがあるって聞くから心配…」という女性も多いと思います。しかし最近の低用量ピルでは、ホルモンの含有量が昔よりも少なくなっていますので、実際にピルで太る人はごく一部といわれています。


最近の低用量ピルは、太りにくい!?

ピルの成分は、女性ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」です。これら2つのホルモンを同時にとり入れることで、体を妊娠時に近い状態にし、排卵を起こさないようにするのがピルの効果になります。

中でも、太る作用があるのはプロゲステロンのほうだといわれています。これは妊娠を継続させるために重要なホルモンで、食欲を高めたり、体に水分を溜めやすくしたりする作用があるからです。 多くの女性が、月経前にはこのような傾向が見られるのではないでしょうか?

ただしホルモンの含有量が多めの「中容量ピル」「高容量ピル」とは違い、避妊目的で処方される低用量ピルでは、そういった副作用は非常に少な目です。特に近年では、昔と比べてピルのホルモン量はかなり少なくなっていますので、太る女性も減っているといわれています。

ちなみに国内でおこなわれた臨床試験によれば、ピル服用後の体重変化は平均して「プラスマイナス2キロ以内」であり、ピルを服用していない場合と大差ないことが分かっています。つまりピルで太るというのは、もはや過去の話のようです。

実際にピルを飲み始めてから太ったという女性もいると思いますが、その多くが食欲増進によるものとされています。ですから特に、生理前に食欲がワーッと出てくる女性の場合は、あらかじめ気をつけることで副作用を防げるはずです。 また医師に相談して、他のピルに変えたら太らなくなったというケースも多く見られます。


ピルには「卵巣がん」の予防効果もある

先進国の中でも、日本はピルの普及率がかなり低いことで知られています。その理由の1つに、「太ってしまう」という誤った認識があることが指摘されていますので、心配しすぎずに1度使ってみることをおすすめします。

実際ピルは、避妊のみならず、女性の体にさまざまなメリットがあるのです。生理周期が安定するため、月経サイクルの乱れた人にも最適ですし、出血量が減るため月経困難症の女性にも向いています。また月経前症候群(PMS)の症状もぐんと減るほか、ニキビや肌荒れにも効果があるのです。

また、卵巣がんの予防という重要な効果もあります。昔と違って女性の出産回数が減っている現代では、生涯の排卵回数は増える一方です。排卵は卵巣を突き破って起こりますので、実は卵巣にとってはかなり負担のかかる現象であり、その刺激の影響が卵巣がんにつながると考えられています。

ですから妊娠の予定がない間は、ピルで排卵をお休みしてあげると、卵巣の負担を減らすことができるのです。実際、欧米ではピルの普及にともなって卵巣がんの罹患率が減少しているのに対し、日本では逆に増加しています。 体のためにも、日本女性もピルの服用を前向きに考えてみてはいかがでしょうか?