薬の値段はどう決められているの?

薬にまつわる素朴なギモン

薬の値段はどう決められているの?

病院で処方してもらう薬(医療用医薬品)の中でも、健康保険の適用される薬には「薬価」という公定価格がつけられていますので、どこで調剤されても薬代自体は変わりません。一方、保険の使えない自由診療の薬には公定価格がなく、医療機関が好きな値段を設定することができます。


保険適応の薬の値段は、国が決める

日本は国民皆保険制度の充実した国ですので、病院で処方してもらう薬のほとんどを2~3割の負担で購入できます。ですからドラッグストアで買うよりも薬代は安く済むことが多いでしょう。

保険適応の薬では、薬局によって値段が変わってしまっては問題ですから、その薬が承認される時に国がつけることになっています。これを「薬価収載」と呼びます。

ちなみに薬価の決め方としては、既に似た効能の薬が出ている場合は、それを参考にしてつける「類似薬効比較方式」が採用されます。ただし既存薬よりも安全性や有効性が高ければ高いほど加算がつきますので、薬価は高くつけられることが一般的です。

一方、似た薬効を持つ既存薬が存在しない場合には、「原価計算方式」が採用されます。これは薬の原価や、開発にかかったコスト、流通経費などを総合的に計算して薬価をつけるもので、製薬会社にとって不利益にならない値段に設定されます。

このようにして保険適応の薬の値段は決められるわけですが、2年ごとに見直しがおこなわれ(薬価改定)、古くなればなるほど薬価は引き下げられることが一般的です。さらに発売から10年以上が経過して特許が切れれば、より安いジェネリック医薬品が出てきますので、製薬会社にとっては特許が切れるまでの間が勝負ということになります。

この間に利益を上げて、開発にかかった費用を回収し、新たな薬の開発にシフトする、というサイクルが製薬会社には求められているのです。ただしよほどの大手でない限り、このサイクルを安定して維持することは難しく、国内外で製薬会社の吸収合併がおこなわれています。


保険不適応の薬の値段は、病院が決める

一方、保険の使えない自由診療の薬の値段は、医療機関が自由に設定してもいいことになっています。薬代のみならず、診察代も含めてすべて病院側の采配に任されています。

たとえば美容整形手術などは、美容外科によって料金にかなりの違いが見られますが、それも自由診療だからです。極端にいえば、0円でもいいし10万円でもいいということになります。

薬でいうなら、バイアグラなどのED治療薬が有名でしょう。ED治療には保険が利きませんので、薬も1錠1,000円以上します。ただしその分、医療機関によっては診察代や初診料をすべて無料にし、薬代以外の料金が一切かからないようにしていることもあります。これも自由診療ならではのシステムです。

ちなみに自由診療の薬は高額なため、ネットで業者から購入する人が後を絶ちませんが、偽造品リスクがあるため危険です。特にED治療薬は、国内外で偽造品被害が多発していますので、手を出さないようにしましょう。 2014年には日本でも正式にバイアグラジェネリックが発売されましたので、節約したい人は活用してみてください。