漢方薬と西洋薬、どう使い分けたらいい? | 薬の使い方にまつわるギモン

薬にまつわる素朴なギモン

漢方薬と西洋薬、どう使い分けたらいい?

薬は、大きく分けて西洋医学のものと、中医学にもとづく漢方薬の2種類に分かれます。基本的には、症状が強く原因がはっきりとしているような場合には西洋薬を、検査を受けても原因不明だったり、全体的な調子が悪かったりする場合には漢方薬をためしてみるのがおすすめです。


強い症状、放っておけない症状は西洋薬で抑えよう

私たちが薬局で購入したり、病院で処方されたりする薬の多くは西洋医学の薬です。西洋医学の薬と聞くとケミカルなイメージがありますが、中には植物などの天然物質が原料となっているものもあります。

漢方薬との大きな違いは、「有効成分が1つだけ」という点です。使っている薬の成分を調べてみると分かりますが、たとえばロキソニンなら「ロキソプロフェンナトリウム」、ガスターなら「ファモチジン」というふうに、西洋薬では1種類の有効成分が使われています。それ以外は、成分を安定させるための添加剤などです。

つまり西洋薬は、ある有効成分によって特定の症状に強く働きかける薬だといえます。ですから「痛みを取り除きたい」「血圧を下げたい」「感染症を治したい」など、その薬を使うべき目的がはっきりとしている場合には大変有効です。 またアレルギーなどがない限り、その症状を有している患者さんであれば誰にでも一定の効果が期待できるところも、西洋薬の特徴になります。

よく「西洋の薬は対症療法であり、根本的な治療ではない」といわれたりしますが、時と場合によっては対症療法が必要なこともあります。痛みや腫れに苦しんでいたり、もしくは心臓発作のリスクがあったりする患者さんに、ゆっくりと体質改善をしている余裕はありません。 そのような場合には西洋薬をきちんと使い、まずは症状を抑えた上で生活全般を見直すことが大切でしょう。


あちこちの調子が悪い、急を要さない場合には漢方薬を

一方、漢方薬とは「複数の生薬を組み合わせた薬」です。たとえば有名な「葛根湯」には、葛根のほかに6種類もの生薬が入っていますし、肥満症によく使われる「防風通聖散」は甘草や桔梗、生姜など実に18種類もの生薬でできています。

もちろん、それぞれの生薬にそれぞれの効能があります。たとえば「防風通聖散」なら、ある生薬には便秘を解消する効果、またある生薬にはデトックス効果があります。ここが、有効成分が1つのみの西洋薬とは大きく違うところです。

さらに漢方薬は、使う人の体質によっても処方が変わります。むくみやすい人、痩せ型の人、汗をかきやすい人などなど、たとえ同じ症状でもその患者さんの体質に応じて、処方される薬が異なるのです。 ですから薬局で売られている市販の漢方薬にも、「体力が中程度であり、便秘しやすく…」などの体質に関する説明が書かれています。

そんな漢方薬は、全体的な体質改善を得意とする薬ですので、病院で検査を受けても原因がよく分からない体調不良などに適しています。たとえば「自律神経の乱れ」「ホルモンバランスの崩れ」などと表現される状態にはぴったりです。

薬の効果を最大限に得るためにも、きちんと初めにカウンセリングをしてくれる漢方薬局などで処方を受けることをおすすめします。